もう黒杖を折ろうなんて言わないよ絶対
都合のいい出来事
ご無沙汰してしまっている。
灰から抜け出せないまま杖を置いた（と思われているであろう）黒魔道士は、ふたたび筆をとることにした。お察しの通り、都合のいい出来事があったからである。
何があっても毎日12分だけは木人を殴ること。最低限これだけは守っておこう。そう決めていたはずなのに、すっかりインしなくなってしまっていた。インしたら現実に向き合うことになってしまう恐怖が大きかった。たまに思い出したようにルレを回しては、ラピスマナリスでヒラに火力負けして凹んだり、Nゴルベーザで初見より酷い動きをお披露目して泣きそうになったり、サボった成果は着々とあらわれていた。前回の記録以来perfは上がっていない、むしろ下がっている。7月9日もそんな毎日のうちの一日だった。とりあえず極ゴルベーザに野良で転がり込み、一応クリアはした、しかしDPSは上から4番目。魔紋を敷いても、ゼノグロにクリダイが乗っても、正しいコンボを正しく回せているPTメンバーからしてみればこんなに弱い人間はBL行きだ。冷静になって0から回しを見直せばいいものを、とにかく悔しくてひたすら実戦に挑んでいた。
今日のところはもう終わろうと思ってログを切り、とりあえずアップロードしておいた。そして何気なくマイキャラのトップを見たとき、目を疑った。
色がついていた。
あまりにギリギリだが、誰がどう見てもこれは緑だ。
GCDアップタイムは82％、DoT維持率95％。だいぶマシな数字が出せた。モ詩リという強力で正確なバッファーがいたおかげでもある。ここ1か月ほどの努力は少しでも報われたのだろうか。
とりあえずフレンドに見せてこよう。そしてサチコメを変えておこう。もう黒杖を折ろうなんて言わないと決めたから。
ただ、人権がほしかった
前回までのあらすじ
2週間ほど極ゴルベーザに通ったが、黒魔導士はそんなに簡単に上手くなるものではなかったと痛感した。
もちろん諦めたわけでもないし、この2週間を完全に無駄だったと切り捨てるのも違う気がする。だが、間違っていなかったとは言い難い。基本が身についていない状態ではいくら実戦を重ねたって意味がない。もっといえば根本的な回しの問題を放置していたら悪い癖がついてどうしようもなくなる可能性が高い。ありがたいことにわたしのフレンドはいつも冷静で、かつ友達を見捨てることはなかった。調子に乗っているわたしに真面目な声で「マジで後戻りできなくなるけど大丈夫？」と言った。
わたしはただ、人権がほしかった。みんなより下手なのが悔しかった。一緒に遊べるだけの最低限の実力すらないのが寂しかった。そして、黒魔導士で遊ぶのが楽しくて、どうしてもさよならをしたくなかった。このゲームに招待してくれた人間とはもうとっくに縁を切って、せっかく暁月まで頑張って追いついた大切な自キャラを消去して、それでもなおエオルゼアに戻ってきた、それくらいの執着はある。
感情的になってすまない。しばらくゴルベーザに行くのは控えることにしようと思う。庭の木人を毎日殴る。ここに綴るに値するできごとは、もしかしたら起こらないかもしれない。それでもなるべく休まず続けていくつもりだ。
どう足掻いても灰は灰
6月14日
リアル生活の忙しさから、ゴルベーザを殴れないどころか短時間しかインできない日が続いてしまった。「1日練習しないと3日前に戻ってしまう」と幼い頃やっていた習い事の先生に教わったことがある。それを鵜呑みにするならば、ふりだしに戻るどころかマイナスに振り切れてしまうのでは？考えたら恐ろしくなってきた。
真偽はともかく、まずは思い出すためにも練習PTを探して入ってみる。20%〜15%ぐらいまでは順調に削れていたが、結局クリアには至らなかった。まぁブランクが2日ほどあるしこんなものだろう、と妥協して、とりあえず残り12%でワイプした回を分析する。
ギリギリ80%回せてはいる。DoTもそれなりに繋げている。だがアビの使いどころはまだまだ手に馴染んでいない。本当は85%くらいは安定して回せるようになりたいところだねぇ、とフレンドは言った。少し前まで70%ぐらいだったから85%なんて夢のまた夢だと思っていたが、ほんの少し現実的になってきた。ゲームの才能もセンスも備わっていない人間にしては頑張ったほうだと思いたい。
6月15日
この日の記憶があまりないことを、今とても惜しんでいる。とにかく見てほしい。
GCD最高記録を更新した。
欲を言えばあと0.1％だけ頑張れたらよかった……嬉しいが悔しい、もうなんだかよく思い出せないし感情はぐちゃぐちゃだ。しかし記録更新には違いない。
ちょっと怖いがlogsの自キャラのページを開いてみる。
ですよね～～～～！！！
どう足掻いても灰は灰。以上、本日解散。
むなしいので庭の木人に八つ当たりしてから寝ることにする。
ブラウザバックはラインズステップで
土日のハイライト
6月10日、11日の土日で珍しく2連休を取ることができた。寝起きのぼんやりした頭でPT募集を片っ端から漁って極ゴルベーザを探した。とりあえず眠気覚ましにウィンド2回目以降練習PTへ入ってみる。
これがなかなか心強いPTだった。ACTを入れてから戦闘中の火力順位（という言い方でいいのだろうか）をちらちら見ていて、ここ2日は上から2番目で安定していたのだが、このPTでは3、４番目をうろうろしていた。単純に自分が回せていないだけかとも思ったが、別にGCDアップタイムが落ちているわけではなかった。ギミック処理も安定していて、うっかり被弾した人がいても次の攻撃で落ちないようにヒールが手厚かった。3回ワイプしたが4回目でクリアできた。13回ワイプしたときと比べて格段に良い。
それでも3滅した原因はどれも08:00～08:10ごろに来るダブルメテオ2回目だった（詳しい部分の記憶が曖昧なのでlogsを見ながら書いている）。どうして3回ともここで壊滅していたのかはさすがに覚えていないが、おそらく塔を踏めていなかったか距離減衰に耐えられなかったのだろう、たぶん。1飯解散前のラスト1回では何事もなく乗り越えられたから、きっと理解不足とか致命的な問題ではなかったはずだ。火力トップの侍さんが止めのLB3を撃った瞬間がものすごくかっこよかった。
実力がついてきたと勘違いしたわたしは、このあとクリ目PTやサブジョブ練習PTで休日を溶かした。両日20回ほどワイプして、日曜の午後にやっと武器箱を手に入れることができた。いろんなPTがあったし、いろんな人がいたが、話せば長くなる。せめてクリアしたときのログの分析でもしようかとも思ったけれど、やっぱりやめた。
いつも分析結果のチェックリスト部分しか掲載していないのは、身バレしなさそうなのと、成長の目安としてぱっと見てわかりやすそうだからである。もちろんこれより下に書いてある回しのエラーなども確認はしている。ただ、ここに書くときにすべてを載せてしまうと話が長くなるし、何十回も繰り返し似たような記録を取っているので見ている側は正直飽きるだろう。すでに飽きているから心配いらない、というフォローは心にしまっておいてほしい。
自分でもさすがにこの調子で一生続けていくのは相当の根気が必要だし、他の情報も入れたほうがものさしが偏らないだろう、とは考えていた。本当はlogsを駆使してうまいこと匿名性を保ったまま数値やらグラフやらを見せられたらいいのだが。ログの見方はGoogle先生に聞いてちょっとずつ理解してきているところなので、もう少しマシな記録の掲載方法を探してみる。
そんなわけで、書きあぐねていたら更新が止まってしまっていた。
どういう事情にせよここまで辿りついて目を通してくれた、わずかとはいえ確かに存在する貴方へ、この場を借りて感謝したい。プレイスキルも文章も拙いが暇つぶしになれば幸いだ。無駄な時間を割かせてしまったとしても、残念ながら責任は負いかねる。こんな場末から元の場所へ戻りたいのなら、ラインズステップを使うのがおすすめだ。
最短ルートは回り道かもしれない
6月9日
今日も懲りずにゴルベーザを殴る。こんなに真面目に極へ通うのはハーデスとWoL以来だ。当時は行くこと自体が楽しかっただけなので上手くなるも何もなかったが。
飽きないのかと聞かれたら、まだ飽きるほど慣れていないと答える。たった一度良いPTにめぐりあってクリアしただけでは実力がある証明にならない。まだ振り返るほどの道のりを歩いてきたわけではない。ゴルベーザのほうは毎日会いに来る雑魚に心底うんざりしているかもしれないが、しばらくは通い続けるから我慢してくれ。
まずはウィンド2回目練習PTに入る。1飯やって、43%まで削ったがワイプ。分析タイムに移る。
昨日とあまり変わらないが、少しは手を止めない意識ができているような気がする。気がするだけだと思う。
だがアビ、特に激成が使えていないのは目立つ。意識してprocを活用すればもっと動きやすくもなるだろう。と書いてはみたが、それができればもっとマシな色が出せているはずなのだ。簡単に身につくものじゃない。少なくともわたしにとっては難しい。絶対できるようになってやるけど。
なんだか悔しくなったのでもう1飯行くことにした。
なりそこない史上最高に手が動いている、奇跡のログが爆誕した。この程度でも喜べるのかって、当社比成長したことには変わりないのだから許してくれ。やっとGCDが80％に乗っかった。DoTもまあ酷くはない。
当分は平均的にこのくらいの結果を出すことを目標にしてみる。ただ、そのためにはTLをもっと深く理解して計画的にアビを挟まないと、おそらくこれ以下の結果しか出せない気がする。とりあえず回ってはいたようだけれど、正直どうしてここまでできたのかよくわからないのだ。細かいところを見れば、DoTが切れるのを恐れて重ねまくっていたり、とりあえずエノキを枯らさないために頻繁にファイアでAF更新したり、中身はぐちゃぐちゃだった。
課題はなんとなく見えている。あとは地道に練習するしかない。こればかりは近道などないのだ。なんなら回り道が最短ルートだったりするかもしれない。風脈の泉みたいに。
向上心だけが取り柄
6月7日
ついに、やっとクリアした。
昨日までの泥沼ワイプからは想像がつかないほどのスマートな一発クリアだった。「上手い人と戦う」ってこういう快適さのことなんだなぁ、とただひたすらに感動した。笛も箱もロットでボロ負けしたけれど、自信は少しだけついた。
分析結果がこちら。
微妙である。DoTは少し意識できるようになってきたが、肝心のGCDは下がっている。まあクリアはしているし死んでもいないのでその点は認めてもよいだろう。おそらくギミック処理の動きに囚われすぎてGCDが止まっていたと思われる。ウィンドやコメットで被弾してしまうとその後の攻撃で耐え切れず死んで、ペア処理などで人手不足でPTを崩壊させる原因になる。このデスペアだけ撃たせてくれと粘って被弾し戦犯になった経験なら豊富だ。いや次に生かしてから誇れ、と怒られそうだなと思った。
6月8日
クリアしたら次は武器のためにも周回だ。
しかしいきなり周回PTに入ってもおそらく足を引っ張ることが目に見えている。というわけで、しばらくはウィンド2回目以降の練習PT、あるいはサブジョブ練習PTへ潜りこんでまともに回せるようになることを目指そうと思う。
1飯練習してクリアまではいかなかった。一番マシだった回を分析したのがこれだ。
少しは手を止めずに動けている気がする。アビの使用率をよく見ればバレるが早々にワイプしているため、必然的に比較的慣れている前半戦の動きしか読めていない。そういう事情を加味すると昨日のクリア時のログより結果が良いのは当然の話でもある。
だいぶ眠かったので明日の自分にあとは託すことにした。次はクリ目PTでできるだけ長く記録を取ろう。なけなしの向上心だけがわたしの取り柄である。
どうかのびしろと言ってくれ
手を染める
今までにも何度か黒魔を極めたいと覚悟を決めたことはあるが、その度に現実の厳しさを思い知っては逃げてきた。今回n度目の決心を実行に移すにあたり、使えるものは何でも使うことにした。
ありがたいことに、わたしの周りには零式や絶をパッチ内踏破しているフレンドが数人いたため、何から手をつければいいのかと泣きついた。そこで教わったのがxivanalysisという分析サイトだった。何がどれくらいできていないのかを可視化してくれるのがとても便利で、これを師として練習を重ねることに決めた。
まずは寿命を迎えてもなお酷使し続けていたPS4に別れを告げ、ガレリアのなんだかつよそうなゲーミングPCを買った。まぁこれは上達するためという理由だけで成立した買い物ではなく、前から欲しかったしせっかくだから買っちゃうか、というノリである。
そしてPCにACTを入れることにした。ツールを使うことに抵抗はあったが、いや今でもまだあるが、何がどう下手なのかも知らずに自力で成長するのは自分には不可能だと思った。悪魔と契約でもした気分だった。
6月5日
さて環境は整った。
早速現実を直視するために現行の極ゴルベーザに行ってみることにした。予習はしたが自信などまったくない。だがやらなければ始まらない。勇気を出して最初から練習のPT募集に入った。13回ワイプして、結局クリアはできなかった。でも最後の最後で時間切れまでは見ることができた。とにかくログを分析にかける。
いやこれはまずい。かなりまずい。何もしていない時間が多すぎる。激成魔なんか開幕の1回しか使っていない。DoTもろくに入っていない。だがこれが現実である。深呼吸して受け止めよう。
じっくり読んでいたらだんだん笑えてきたのでフレンドに分析結果をそのまま見せる。とりあえず、まずは手を止めないこと。これは黒魔導士にとって非常に難しいことだが、一発でも多く詠唱することでしか火力は出ない。いかに動きながらGCDを回し続けるかが大事だ、とフレンドは言った。
6月6日
懲りずに今日もゴルベーザに戦いを挑む。この日は8回ワイプして、限界を感じたので寝た。忘れないうちにログを分析する。
ほんのちょっとだが、マシになった。
昨日は何も考える余裕などなくぐちゃぐちゃの回しで13度も失敗したのだ、これくらいの成長はしていてくれないと困る。とはいえミリ単位でも成長していたことが嬉しくて、フレンドに報告した。意識して変えることができた時点で100点、この数字を持ち上げていくのが次の段階だという。あまりにも優しい。そして頑張りを数値で見てとれるのが楽しい。まだクリアすらしていないが。
先は長い。この現実を、どうかのびしろと言ってくれ。
